ごあいさつ
このたび、2025年4月より日本基礎老化学会の第11代理事長を拝命いたしました杉本昌隆と申します。歴史と伝統を有する本学会の理事長という重責を担うこととなり、身の引き締まる思いとともに、その責任の大きさを実感しております。
本学会は、老化のメカニズムを細胞、組織、個体レベルで解明し、健康寿命の延伸に貢献することを目指して、1977年の設立以来、さまざまな分野の研究者が集い、活発な議論と交流を重ねてきました。酵母や線虫、ショウジョウバエ、マウス、ヒトなど、幅広いモデルを用いた研究が展開され、その成果は学術集会や学会誌を通して共有され、老化研究の重要な基盤を築いてまいりました。
私は、細胞老化と組織老化の関係性や、細胞老化が慢性疾患の発症・進展に果たす役割について研究を進めてまいりました。老化の仕組みを明らかにすることで、治療標的となる要素の解明や治療に役立つモデルの開発を目指しております。
今後は、これまでの学会活動の積み重ねを大切にしつつ、以下のような課題に重点的に取り組んでまいります。
・若手研究者の育成と活躍の場の拡充
・分野横断的な研究交流の推進
・他学会との連携による学術的・社会的な発信の強化
・国際的なネットワークの深化
超高齢社会を迎える日本において、基礎老化研究はますますその社会的意義を増しています。多様な研究領域の知見を結集し、基礎から応用へ、研究成果を社会へとつなげていくことが、今後ますます重要になると考えております。
本学会が、老化の本質に挑む研究者の集う「知の拠点」として、さらに魅力ある学術の場として発展していけるよう、精一杯努めてまいります。
皆様のご支援とご協力を、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2025年4月吉日
日本基礎老化学会 理事長
国立長寿医療研究センター
杉本 昌隆
設立
昭和56年5月15日(前身の日本基礎老化研究会の設立は昭和52年2月2日)
歴代会長
初代 会長 :太田邦夫
第2代会長 :今堀和友
第3代会長 :鈴木孯之
第4代会長 :佐藤昭夫
第5代会長 :後藤佐多良
第6代会長 :丸山直記
第7代会長 :石井直明
第8代会長
(理事長) :下川 功
第9代理事長 :丸山光生
第10代理事長 :石神昭人
第11代理事長 :杉本昌隆
主な活動
- 大会(春)
- シンポジウム(秋)
- 会誌の発行(年3回)、図書の発行
- 役員会 理事会(年2回)、評議員会(年1回)
- 日本基礎老化学会奨励賞(40歳以下)に応募できます。
- 隔年に開催される日本老年学会の合同会では他の6学会(日本老年医学会、日本老年社会科学会、日本老年歯科学会、日本老年薬学会、日本ケアマネージメント学会、日本老年看護学会)の会場にも入場できます。
- 老化総説誌 Biomedical Gerontology(基礎老化研究)が配布されます。