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学会誌

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2014年

  

2014年9月
38巻3号




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13597KB
目次  (pdf 127KB)

第36回日本基礎老化学会シンポジウム
 プログラム、発表抄録  (pdf 1808KB)
 
総説
 一酸化窒素(NO)による生理機能調節とその破綻   松本明郎 (pdf 1075KB)

総説
 アルツハイマー病研究の今後の展望   斉藤貴志、西道隆臣 (pdf 1249KB)

総説
 骨格筋のカルニチン代謝と老化     古市泰郎、藤井宣晴 (pdf 1262KB)

トピックス <第37回日本基礎老化学会大会奨励賞受賞>
 ドラッグ・リポジショニングによる認知症治療薬のスクリーニング
柳井修一  (pdf 1322KB)

トピックス <第37回日本基礎老化学会大会奨励賞受賞>
 ストレス老化シグナルによる解糖系酵素PGAMのユビキチン化制御  
三河拓己、稲垣暢也、近藤祥司  (pdf 1009KB)

トピックス <第37回日本基礎老化学会大会奨励賞受賞>
 老化関連遺伝子TARSHの細胞増殖と癌転移における関与
岩下雄二、原田種展、松田剛典、杉本昌隆、丸山光生 (pdf 1122KB)

対談
 老化の生物モデルを縦横に斬り、考える!
三井洋司、樋口京一、森 政之、石井直明、重本和宏、木村展之 (pdf 845KB)

学会報告
 第37回日本基礎老化学会大会を終えて   丸山光生 (pdf 1543KB)

学会見聞録
 第37回日本基礎老化学会に参加して    大澤郁朗 (pdf 817KB)

学会報告
 基礎老化学会・抗加齢医学会合同シンポジウム見聞録   清水孝彦 (pdf 1476KB)

学会報告
 2014日韓シンポジウム及び韓国基礎老化学会に参加して 
岩下雄二、丸山光生 (pdf 1124KB)

追悼文
永井克孝先生を偲んで    遠藤玉夫  (pdf 813KB)

書評
『有性生殖論』-「性」と「死」はなぜうまれたのか-   三井洋司  (pdf 841KB)

海外文献紹介  
The metabolite α-ketoglutarate extends lifespan by inhibiting ATP synthase and TOR 
石井恭正  (pdf 908KB)

海外文献紹介  
Caloric restriction reduces age-related and all-cause mortality in rhesus monkeys. 
千葉卓哉  (pdf 1010KB)

海外文献紹介  
Capillary pericytes regulate cerebral blood flow in health and disease
渡辺信博  (pdf 845KB)


 基礎老化学会サーキュラー 第100号 

一酸化窒素(NO)による生理機能調節とその破綻

松本 明郎
千葉大学大学院・医学研究院・薬理学

一酸化窒素(NO)が血管内皮由来弛緩因子(EDRF)として作用していることが報告され て以来、NOの中枢や末梢組織における生理作用や、発生から老化に至る時間 軸に沿った役 割が明らかにされ、NOは生理的に必須のガス状分子である事が確認された。NOはcGMP やタンパク質のニトロシル化反応を介して生理活性を示すが、NO産生の低下や無秩序な NOの作用は病態形成へつながることも知られている。各種病態や老化へのNOの関与が明 らかにされるにつれ、NOを臨床現場で治療や検査に用いる試みが進められる様になってい る。本稿では、NOの様々な作用機序を生物化学的にも紹介し、生理的恒常性の維持に関わ るNOと病態・治療への関わりについて紹介する。

キーワード:Nitric oxide (NO),Reactive oxygen species (ROS),cGMP,S -nitrosylation,NO synthase (NOS)

アルツハイマー病研究の今後の展望

斉藤 貴志、西道 隆臣
理化学研究所・脳科学総合研究センター・神経蛋白制御研究チーム

アルツハイマー病(AD)は、少子高齢化の進む我が国において一刻も早く克服すべき大 きな社会問題となっている。世界中で研究が進められているものの、予防・治療・早期診断・ 発症遅延法の確立は未だにほど遠いのが現状である。研究を展開するには、確かな仮説を立 証する必要があり、それを立証するためには蓋然性の高い研究手法とツールが必要となるの はどの研究でも同様である。ADでは、アミロイドカスケード仮説が長い間支持されてきたが、 最近この仮説が揺るぎないものであることが確認された。一方、既存のADモデルマウスに よるこれまでの検討結果を是正し、新たなADモデルマウスの使用にパラダイムシフトする 必要性も生じている。さらに、AD病態形成機構を神経単独ではなく、脳内環境相互作用の 視点で捉え直す必要性にも迫られている。本稿では、我々の最近の知見を交え、アルツハイ マー病研究の今後についての展望を覗いたい。

キーワード:Alzheimer's disease (AD), aging, amyloid cascade hypothesis, amyloid-β peptide (Aβ),AD model mouse

骨格筋のカルニチン代謝と老化

古市 泰郎、藤井 宣晴
首都大学東京・人間健康科学研究科・ヘルスプロモーションサイエンス学域

カルニチンは、長鎖脂肪酸をβ酸化の場であるミトコンドリア・マトリックスへ輸送する 役割を担う。また、アセチルCoAが過剰に蓄積した状況では、そのアセチル基を受け取り(ア セチルカルニチンの生成)、それを排出するように働く。近年の研究によって、後者の役割(カ ルニチンのアセチル化)は糖代謝の恒常性に重要であり、加齢や高脂肪食摂取によってこの 機能が低下することが明らかとなってきた。また、アセチルカルニチン自体は神経保護作用 を有し、老化に伴う脳機能の低下を抑制する。本稿では、骨格筋代謝におけるカルニチンの 役割について、脂肪酸の細胞外排出という機能に焦点を当てる。また、カルニチンやアセチ ルカルニチンの投与は、加齢による代謝機能の低下およびアルツハイマー病などの老化現象 に対して、抑制効果があるという最新の知見を紹介する。

キーワード: 骨格筋、カルニチン、アセチルカルニチン、インスリン抵抗性、加齢


2014年5月
38巻2号




pdf 14845KB
目次  (pdf 88KB) 

第37回日本基礎老化学会大会 ご挨拶  (pdf 1049KB) 

 開催概要               (pdf 1585KB) 

 会場周辺図および交通案内

 会場案内図 

 参加者・発表者へのご案内

第37回日本基礎老化学会大会 プログラム  (pdf 1239KB) 

第37回日本基礎老化学会大会 プログラム正誤表  (pdf 37KB)

第37回日本基礎老化学会大会 発表抄録  (pdf 2144KB)

シンポジスト変更に伴う差し替え  (pdf 894KB)

第37回日本基礎老化学会大会 賛助団体芳名  (pdf 1092KB)

追悼文
 蟹沢先生を偲んで      廣川勝昱  (pdf 963KB)


 基礎老化学会サーキュラー 第99号 


2014年2月
38巻1号




pdf 5675KB

目次  (pdf 93KB)

第37 回日本基礎老化学会大会のご案内  開催要領
   (pdf 842KB) 

総説
 癌抑制遺伝子p53 による老化と代謝制御のメカニズム 
 橋本直子、田中知明   (pdf 1089KB) 

総説
 宇宙環境における線虫の老化研究 
  本田陽子、本田修二    (pdf 1667KB)

総説
 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因究明と治療に向けた基礎研究 
  新倉麻己子、三澤日出巳    (pdf 1005KB)

トピックス
 脳血管の老化と認知症の関連性
  上野正樹     (pdf 842KB) 

トピックス
 青ジソに含まれるNrf2-ARE 経路活性化物質の単離 
  久米利明    (pdf 965KB)

トピックス
 “放射線誘発プリン介在型細胞間情報伝達”と老化研究への応用の可能性 
  月本光俊、小島周二  (pdf 1087KB) 

対談
 寿命とは何だろうか? 有性生殖の定義も含めて 激論!   
  三井洋司、後藤佐多良    (pdf 707KB)

学会報告
 第35 回日本基礎老化学会シンポジウム   石神昭人  (pdf 1127KB)


 基礎老化学会サーキュラー 第98号

癌抑制遺伝子p53 による老化と代謝制御のメカニズム

橋本 直子、田中 知明
千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学

癌抑制遺伝子p53 は、細胞ストレスの程度に応じて細胞周期停止、アポトーシス、代謝調節、細胞老化誘導など、多彩な細胞応答を引き起こす。これは、p53 が転写因子として作用し、リン酸化・アセチル化などの翻訳後修飾を介して、機能の異なる多様な下流遺伝子を使い分けることで調節されている。細胞老化は、正常な体細胞が不可逆的な細胞増殖停止の状態に陥る現象であり、テロメア短縮、酸化ストレスなど、回復不可能なDNA 損傷により生じることから、発癌予防機構の一つとして考えられている。老化した細胞では、炎症性サイトカイン、成長因子などの分泌蛋白の合成や細胞内代謝動態にも様々な変化が生じているが、最近の研究においてp53 の代謝調節機能が細胞老化の制御に密接に関わることが分かってきた。また、マウスモデルの研究やヒトの疫学研究から、p53 が癌抑制機能のほか、個体老化にも影響を与えることが示されている。本稿では、p53 による細胞老化におけるシグナル調節機構や細胞内代謝制御を中心に、最近の知見を紹介する。

キーワード:p53, senescence, aging, metabolism, SASP

宇宙環境における線虫の老化研究
     
本田 陽子、本田 修二
東京都健康長寿医療センター研究所 老化制御研究チーム・健康長寿ゲノム探索グループ

微小重力の宇宙環境が生物の老化にどのように影響を及ぼすかは、よくわかっていない。寿命が短く、老化が速く進む線虫を用いて宇宙環境による影響を調べた。遺伝子導入により線虫の筋肉で発現したポリグルタミンは加齢に伴って凝集する。宇宙滞在線虫では凝集体の形成が抑えられ、老化遅延が示唆された。さらに宇宙環境で発現低下した7 遺伝子を地上実験室でそれぞれ不活性化させると線虫の寿命が延長した。これらの遺伝子はアセチルコリン受容体、アセチルコリン輸送体、コリンアセチル転移酵素、ロドプシン様G- タンパク質共役受容体、グルタミン酸開口型塩素イオンチャネル、シェーカー型K チャネル、インスリン様ペプチドをコードし、いくつかは寿命を調節することが知られているインスリン様シグナルや制限食シグナルと関わっている。これらの結果は、宇宙環境により神経系や内分泌系が応答して生体環境が変化し、線虫の老化が遅くなる可能性を示唆している。

キーワード:space, C. elegans , longevity, aging, microgravity

筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の原因究明と治療に向けた基礎研究

新倉 麻己子、三澤 日出巳
慶應義塾大学薬学部 薬理学講座

筋萎縮性側索硬化症 (ALS) は、中年期以降に発症し、運動ニューロンが選択的に死滅していく神経変性疾患である。ALS の一部を占める家族性ALS では原因遺伝子の解明が急速に進んでいるものの、大部分を占める孤発性ALS では、病気の原因は依然として不明であり、有効な治療法も存在しない。本総説では、近年研究の進展がめざましい家族性ALS の原因遺伝子の研究について解説し、ALS の治療を目指した最近の試みについて紹介した。また、著者らが開発した運動ニューロン特異的な遺伝子改変マウスを用いた研究成果を概説した。ALS 研究は、これまでの家族性ALS 研究で明らかとなった多くの成果をもとに、孤発性ALS の原因究明に取り組み、有効な治療法を模索するステージにある。

キーワード:ALS, SOD1, TDP-43, VAChT-Cre, non-cell autonomous