Powered by Google

  

学会誌

>>BackNumberへ

 

 投稿規程  この雑誌について

2012年

         


2012年9月
36巻3号




pdf 全体
6329KB
目次  (pdf 49KB)

 プログラム/発表抄録  (pdf 2124KB)

総説
 コリン作動性神経機能素子の制御機構   奥田隆志  (pdf 367KB)

総説
 カロリー制限による白色脂肪組織を中心とした脂質代謝の活性化
                藤井波木、沖田直之、樋上賀一  (pdf 897KB)

総説
 Werner症候群の新しい診断基準   横手幸太郎、竹本稔  (pdf 434KB)

トピックス <第35回日本基礎老化学会大会奨励賞受賞>
 成体神経幹細胞老化のゼブラフィッシュモデル
             岸本憲人、澤本和延  (pdf 503KB)

トピックス <第35回日本基礎老化学会大会奨励賞受賞>
 老齢マウスの筋線維タイプ特異的な筋萎縮の病態解明
 福永大地、久保幸穂、森秀一、宮崎剛、樋上賀一、重本和宏  (pdf 247KB)

トピックス <第35回日本基礎老化学会大会奨励賞受賞>
 骨格筋部位特異的なサテライト細胞の性質と加齢による変容
             小野悠介  (pdf 528KB)

トピックス
 加齢の科学再考
 石川直、仲村賢一、下村七生貴、相田順子、田久保海誉  (pdf 537KB)

学会報告
 第35回日本基礎老化学会総会 学会報告記  高橋良哉  (pdf 268KB)


 基礎老化学会サーキュラー 第94号


コリン作動性神経機能素子の制御機構

石浦章一
東京大学・大学院総合文化研究科

奥田 隆志
慶應義塾大学薬学部 薬理学講座

コリン作動性神経は中枢・末梢神経系に広く分布し、自律・運動・認知などの様々な生理機能に関与する。アルツハイマー病では、前脳基底部から大脳皮質の広範な領域に投射するコリン作動性神経細胞が脱落して認知障害に関与すると考えられており、現在認可されているアルツハイマー病治療薬のほとんどがアセチルコリンエステラーゼを標的とする。本稿では、コリン作動性神経における基本的機能素子の中でも特にアセチルコリンの合成・放出に必須な役割を担う3つの分子、コリンアセチルトランスフェラーゼ、小胞性アセチルコリントランスポーター、高親和性コリントランスポーターを取り上げ、それらの機能や制御機構について概説する。

キーワード:cholinergic neuron, acetylcholine, choline acetyltransferase, vesicular acetylcholine transporter, high-affinity choline transporter

カロリー制限による白色脂肪組織を中心とした脂質代謝の活性化

藤井 波木、沖田 直之、樋上 賀一
東京理科大学薬学部 分子病理・代謝学研究室 

カロリー制限(CR)の抗老化・寿命延伸効果の分子メカニズムとして、成長ホルモン(GH)/IGF-1シグナルやSirtuinの重要性が指摘されているが、未だ不明な点も多い。また、脂肪細胞やアディポカイン分泌の遺伝的修飾により、寿命制御が可能であることが報告されている。そこで我々は、CRがげっ歯類の白色脂肪組織(WAT)に及ぼす影響について解析した。その結果、CRはWATにおいてミトコンドリアを活性化し、炎症を抑制した。また、脂質合成/分解系酵素やピルビン酸/リンゴ酸回路関連酵素の発現亢進を介して、生体内の脂質緩衝能を増強させることが示唆された。このようなCRによるWATのリモデリングは、摂取エネルギー不足に対して脂質を有効に利用するための適応現象であると考えられる。さらに、このCRによる脂質の有効利用には、脂質合成系の主要な制御因子であるSrebp-1cが重要な役割を果たすことが示唆された。

キーワード:caloric restriction (CR), white adipose tissue (WAT), lipid metabolism, pyruvate/malate cycle, sterol regulatory element binding protein-1c (Srebp-1c)

Werner症候群の新しい診断基準

横手 幸太郎、竹本 稔
千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学

ウエルナー症候群(WS)は、比較的日本人に発症頻度の高い、常染色体劣性の代表的遺伝的早老症である。思春期以降に種々の老化徴候が出現し、患者は40歳台で死亡するとされてきた。一方、近年の治療法の進歩に伴い、その寿命は延長傾向にあることが示されている。我が国では、1984年にWSの診断の手引きが作成されたが、その後、患者の実態調査や診断基準の改訂は行なわれてこなかった。そこで我々は、WSの早期診断と治療を実現するために、全国的な患者調査の結果に基づく診断基準の改訂を実施した。新しい診断基準は、主要徴候とその他の徴候、そして遺伝子変異検査から成り、主要徴候としては、早老性毛髪変化、両側性白内障、皮膚の萎縮・硬化または皮膚潰瘍、アキレス腱などの軟部組織石灰化、それに鳥様顔貌を含む。この診断基準と新たに作成された治療ガイドラインの活用が、WSのより適切な治療と病態解明に結びつくことを期待する。

キーワード:Werner syndrome, helicase, nation-wide survey, diagnostic criteria


2012年7月
36巻2号




pdf 全体
4241KB
目次 (pdf 27KB)

第35回日本基礎老化学会大会 ご挨拶 (pdf 59KB)

開催概要 (pdf 39KB)

参加者・発表者の方へ (pdf 465KB)

プログラム Program (pdf 700KB)

発表抄録 Abstracts (pdf 2459KB)

 特別講演 Plenary Lecture

  アジアミニシンポジウム Asian Mini-Symposium
  若手奨励賞応募演題 Young Scientist Award Session
  ハイライトポスター演題 Poster Highlight Session
  一般演題 General Session

賛助団体芳名 (pdf 13KB)


 基礎老化学会サーキュラー 第93号


  
2012年2月
36巻1号




pdf 全体
20.4MB
目次(pdf 112KB)

総説
 アルツハイマー病の発症機構と食物ワクチン  石浦 章一 (pdf 488KB)

総説
 細胞の生存・増殖・分化の制御と細胞接着由来シグナル  伊豫田 拓也、深井 文雄  (pdf 648KB)

総説
 脳と免疫系の相互作用という観点から老化促進モデルマウスをとらえる
 島田 厚良、石井 さなえ (pdf 652KB)

トピックス
 マイクロアレイを使って老化トランスクリプトームのアトラスを作成するために
 小西 智一 (pdf 555KB)
   
トピックス
 X線により生じるヒドロキシルラジカルの量とその分布の解析   松本 謙一郎 (pdf 330KB)

随筆
 老化研究事起こし----アンチ・エイジングは、すべて幻か?   三井 洋司 (pdf 273KB)

おしらせ
 第35回日本基礎老化学会大会のご案内   高橋 良哉 (pdf 236KB)


 基礎老化学会サーキュラー 第92号 

アルツハイマー病の発症機構と食物ワクチン

石浦章一
東京大学・大学院総合文化研究科

要約
 アルツハイマー病の根本治療には、セクレターゼ阻害剤やワクチンがある。本研究では、これらを比較したところ、ワクチン治療の方が効果が高いことが明らかとなった。しかも、経口ワクチンの方が皮下注射より副作用が少ないことがわかり、米にアミロイドβタンパク質を発現させる手法が、将来的に希望を持てるワクチンであることが判明した。

キーワード:アルツハイマー病、アミロイドβタンパク質、経口ワクチン、植物

細胞の生存・増殖・分化の制御と細胞接着由来シグナル

伊豫田拓也1,2、深井文雄1,2
1 東京理科大学・薬学部・分子病態学教室
2 東京理科大学総合研究機構・DDS 研究センター 

要約
細胞外マトリクス(ECM)への細胞の接着は、細胞を物理的に支持するのみならず、細胞の生存、増殖、分化など、恒常性の維持に重要な種々生理現象に関わるシグナルの基盤となっている。それゆえ細胞接着が起因となるシグナル伝達における異常は、癌を含む種々病態の形成を招くと考えられることから、細胞接着の制御機構をターゲットとした研究が、これまでに多くなされてきた。近年我々は、接着分子β1-インテグリンの活性化を介して細胞接着を増強するペプチド「TNⅢA2」を、ECM分子の1種であるテネイシン-C(TN-C)分子内より発見した。このペプチドは細胞の増殖・分化を制御し、さらに一部の細胞では細胞死の制御にも関与するなど、多彩な機能を示すことが分かってきた。そこで本稿ではTNⅢA2が示す様々な機能の紹介を通じ、これら生理現象におけるβ1-インテグリンシグナルの重要性について紹介する。

キーワード:ECM protein, Tenascin-C, Integrin

脳と免疫系の相互作用という観点から老化促進モデルマウスをとらえる

島田厚良、石井さなえ
愛知県心身障害者コロニー 発達障害研究所・病理学部

要約
老化促進モデルマウス(SAM)は、促進老化を示すSAMP系統群と、通常老化を示すSAMR系統群とから成る。SAMP10系は加齢とともにニューロンが変性し学習能が低下する。SAMP10系の脳では炎症性サイトカインのレベルが高く、ミクログリアは退行変性している。また、損傷を受けた脳組織でミクログリアとアストロサイトやニューロンの間にサイトカインを介した細胞間コミュニケーションが構築されず、神経保護機能に欠陥がある。一方、SAMP系統群のマウスは胸腺萎縮やヘルパーT細胞の低下を始めとする免疫系の老化徴候を早期より示す。よって、SAMマウスは脳の老化と免疫系の老化がどのように相互に関係するのかを知るために有用である。とりわけ、脳組織微小環境を調節する機構として、髄膜・脈絡叢に展開する免疫系が近年注目されており、その加齢変化を解明することが、脳の老化の原理を探る基礎研究のひとつの方向であろう。

キーワード: brain aging, microglia, cytokine, immunosenescence, meninx