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学会誌

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2006年11月
30巻4号



pdf 全体
4391KB
第28回日本基礎老化学会シンポジウム:
プログラム、発表抄録  (pdf 451KB)

追悼文:
田内 久先生を偲ぶ  佐藤秩子  (pdf 197KB)
総説:
老化と生体異物応答  平林容子、井上達 (pdf 578KB)
総説:
緑茶による脳の老化予防  海野けい子、星野稔  (pdf 409KB)
研究報告:
グライコプロテオミクスによる新規老化マーカーの探索  遠藤玉夫、佐藤雄治  (pdf 551KB)
研究報告:
抗MuSK抗体陽性重症筋無力症の病因と病態  重本和宏、久保幸穂、丸山直記  (pdf 636KB)
パネルディスカッション:
基礎老化研究の未来  下川功  (pdf 582KB)
随筆:
基礎老化研究あれこれ(9)  白澤卓二  (pdf 133KB)
施設紹介:
徳島文理大学 香川薬学研究棟  三井洋司  (pdf 276KB)
附:
基礎老化学会サーキュラー 第72号

老化と生体異物応答

平林容子(1)、井上達(2)
(1)国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部
(2)国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター

要約
Benjamin Gompertz[1]が、縦軸に対数目盛で単位時間あたりの死亡率をとり、横軸に年齢をとると、ヒトの単位時間あたりの死亡率は指数函数的な直線関係、即ち、ゴンペルツ函数をとることを発見したのは180余年前のことである。放射線や生体障害物質の暴露により、実験動物の寿命は、実験的経験則として知られるとおり、促進老化型にその傾きの急峻化を生じ、また、カロリー制限動物や、チオレドキシンの導入発現による抗酸化マウスで観察すると、反対にこの直線は平坦化し、最長寿命の延伸へと傾いた。種々のエンドクリン作用様物質やベンゼンの暴露によって 生ずるいくつかの遺伝子改変動物での筆者らの採取した実データにおける諸変化を通覧し、環境化学物質の生体異物応答の老化との関連を考察した。

キーワード;GompertzeanIawofmortaIity,放射線誘発白血病、ベンゼン誘発白血病


2006年9月
30巻3号



pdf 全体
2758KB
新会長挨拶:
丸山直記(日本基礎老化学会会長) (pdf 56KB)
追悼文:
佐藤昭夫先生を偲んで 堀田晴美  (pdf 120KB)
総説:
細胞老化の分子機構と生体内における役割 杉本昌隆、丸山光生  (pdf 479KB)
研究報告:
機能解明! SMP30はビタミンC合成に重要な酵素 石神昭人、佐藤安訓、丸山直記  (pdf 571KB)
随筆:
基礎老化研究あれこれ(8) 白澤卓二  (pdf 475KB)
学会報告:
第29回日本基礎老化学会大会報告 下川功  (pdf 128KB)
学会報告:
第6回日韓老年学合同会議報告 田中雅嗣  (pdf 103KB)
施設紹介:
東海大学大学院医学研究科ライフケアセンター 石井直明  (pdf 165KB)
お知らせ:
おわびと訂正 (pdf 88KB)
附:
基礎老化学会サーキュラー 第71号

細胞老化の分子機構と生体内における役割

杉本昌隆、丸山光生
国立長寿医療センター研究所 老化機構研究部

要約
哺乳動物の体細胞を培養するとある一定回数の細胞分裂を起こした後に細胞老化と呼ばれる不可逆的な増殖停止状態に入る。これまでの研究から細胞老化には複数の主要な癌抑制タンパク質が 関与していることが示されており、事実細胞老化という現象が生体内で癌抑制機構として働いていることが明らかになりつつある。さらに細胞老化はこのような癌抑制機構としての機能の他に、 最近では個体の老化そのものにも関与している可能性を示す報告がされている。本稿では細胞老化を起こす分子メカニズム、および遺伝子改変マウスから得られた情報をもとにした細胞老化の 生物学的役割について概説する。

キーワード;細胞老化、CDK、CKI、癌抑制、個体老化


2006年5月
30巻2号



pdf 全体
4709KB
第一部:日本基礎老化学会第29回大会 (pdf 3400KB)
大会案内及びプログラム
発表抄録
サテライトシンポジウム案内

第二部:総説
解糖系代謝亢進による細胞老化抑止効果;ワーバーグ効果の知られざる側面 近藤祥司  (pdf 443KB)

随筆:基礎老化研究あれこれ(7)アンチエイジングフレンチメニューの創作に挑戦 白澤卓二  (pdf 167KB)

老化研究施設紹介:東京都老人総合研究所 丸山直記  (pdf 81KB)

書評:三井洋司著「不老不死のサイエンス」 田中雅嗣  (pdf 97KB)

附:会員異動

解糖系代謝亢進による細胞老化抑止効果;ワーバーグ効果の知られざる側面

近藤祥司
京都大学医学部附属病院 老年内科

要約
活性酸素による酸化ストレスは細胞あるいは個体老化に深く関わる事が知られている(フリーラジカル仮説)。活性酸素は生理的シグナル伝達のみならず、様々な疾患(動脈硬化、神経変性疾患、代謝異常、癌など)の病態形成に深く関わる。酸化ストレス耐性の獲得により、個体あるいは細胞寿命延長することも報告されている。最近、我々は、解糖系代謝亢進により、酸化ストレスが軽減し、細胞老化が抑止されることを報告した。解糖系阻害により細胞老化促進することも判明した。ヒトやマウスの細胞老化の課程では解糖系代謝が減弱する。さらに癌抑制遺伝子p53は解糖系酵素ホスホグリセリン酸ムターゼ(PGM)のタンパク量を転写後制御することも判明した。解糖系代謝亢進は、多くの癌細胞で観察される特性(ワーバーグ効果)である。本稿では、老化と酸化ストレスの観点より、ワーバーグ効果の知られざる側面について概説する。


2006年2月
30巻1号



pdf 全体
4238KB

追悼文:
山田正篤先生を偲ぶ 三井洋司 (pdf 154KB)
総説:
テロメア末端とDNA損傷・修復 竹中康浩、三井洋司 (pdf 466KB)
総説:
老化に関する縦断疫学調査の概要と栄養疫学的側面からみた中高年者の心理的健康 安藤富士子、下方浩史 (pdf 584KB)
総説:
何故、今、ヒトか?:高齢社会にむけての生理学からの提言 能勢博 (pdf 913KB)
総説:
IGF-1シグナルと骨格筋老化 町田修一 (pdf 713KB)
随筆:
基礎老化研究あれこれ(6)三浦敬三さんを偲んで 白澤卓二  (pdf 223KB)
学会報告:
第35回米国神経科学会(Neuroscience 2005)参加記 石神昭人  (pdf 206KB)
学会報告:
The 7th Korea-Japan Joint Symposium on Cancer and Ageing Researchに参加して 神森眞  (pdf 78KB)
学会報告:
第27回日本基礎老化学会シンポジウム報告記 清水孝彦  (pdf 101KB)
学会報告:
Age and Immunity: T cells in aging, final conference 廣川勝昱  (pdf 98KB)
書評:
長寿と遺伝子(白澤卓二 著) 安藤進  (pdf 61KB)
附:
基礎老化学会サーキュラー第69号(第29回日本基礎老化学会開催のご案内を含む)

テロメア末端とDNA損傷・修復

竹中康浩(a)、三井洋司(b)
(a)産業技術総合研究所 セルエンジニアリング研究部門 セルダイナミクス研究グループ
(b)徳島文理大学 香川薬学部 創薬学科 生理化学講座

要約
テロメアが個体老化の原因と言えるかどうかは未だ不明であるが、テロメアの構造や機能およびその細胞寿命との関連に関する研究は進展を続けている。特にヒトテロメアを構成する因子の同定がほぼ終了し、テロメアDNAと6種類のタンパク質からなる複合体としてshelterinと呼ばれるようになった。一方でテロメアとDNA損傷・修復系との密接な関係が明らかになり、テロメア短縮から細胞老化へのメカニズムが解明されつつある。本総説ではテロメア末端とDNA損傷・修復系および細胞老化との関係についてこれまでの研究の経緯をふまえながら解説する。

Keywords: Telomere binding protein,TRF1,TRF2,DNA damage, shelterin

老化に関する縦断疫学調査の概要と栄養疫学的側面からみた中高年者の心理的健康

安藤富士子、下方浩史
国立長寿医療センター・疫学研究部

要約
老化や老年病の原因を疫学的に検討するためには多数の関連候補要因と老化・老年病の指標を一つのコホートで前向きに追跡していく縦断研究という手法が有用である。本編では、我々が1997年から行っている「国立長寿医療センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA: National Institute for Logevity Sciences – Longitudinal Study of Aging)」の概論とそこから得られた魚由来脂肪酸と抑うつとの関連についての知見を紹介する。 魚油にはDHA(dochosahexaenoic acid)などのn-3系脂肪酸が多く含まれることが知られている。DHAは周産期前後の神経系、網膜の発達や幼児期の認知機能に関連すると報告されているがNILS-LSAにおける縦断的解析の結果、初回調査時に抑うつの認められなかった中高年男性が2年後に抑うつを示す危険率は、魚介類由来脂肪摂取量が1s.d.(標準偏差)増えるごとに約1/3に減少するという結果が得られた。近年、成人においてもDHA、EPA(eicosapentaenoic acid)摂取と心理・精神機能との関連が報告されるようになっており、また、うつ病患者では血漿リン脂肪中におけるn-3系多価脂肪酸の欠乏が見られるとも報告されている。我々の研究結果は、地域在住者が通常摂取している範囲内でのn-3系脂肪酸摂取で中高年男性の抑うつが抑制される可能性を示しており、今後機能的な解析や介入調査でのさらなる検討が望まれる。

Key words: epidemiology, depression, DHA(dochosahexaenoic acid), longitudinal study, aging

何故、今、ヒトか?:高齢社会にむけての生理学からの提言

能勢博
信州大学大学院医学研究科・スポーツ医科学分野

要約
ヒトは立位で運動し、大量の皮膚血流、発汗量で体温調節を行う点で他の四つ足動物とは運動時の代謝量、循環、体温調節機構が著しく異なる。したがってヒトを用いた解析が、遺伝子、細胞レベルの基礎研究の成果を社会に還元するには必要不可欠である。ヒト運動能の特殊性について、循環、体液、体温調節の面から論じる。次に、高齢社会における医療費削減に向けて、我々が実践している中高年(熟年)のための健康スポーツ教室の現状と課題、さらにそれを研究フィールドとして、将来運動処方の個体差から遺伝的背景を明らかにする研究戦略について述べる。

IGF-1シグナルと骨格筋老化

町田修一
早稲田大学 先端科学・健康医療融合研究機構 生命医療工学研究所

要約
老化に伴い、骨格筋の筋肉量および筋力は低下する。しかし、この筋肉減弱症(サルコペニア)がどのようなメカニズムで発症するかについては、実はよく知られていない。最近、IGF-1/PI3K/Aktシグナリングとその下流分子、フォークヘッド型転写因子FOXO familyが骨格筋の萎縮と肥大の決定に重要な因子であることがわかってきた。そこで本稿では、IGF-1シグナリングが骨格筋老化に及ぼす影響について、主に1)筋再生能2)筋蛋白質バランス(合成系・分解系)に着目して、最近の研究成果を基に概説する。

Keywords: IGF-1/PI3K/Akt signaling, FOXO family, Sarcopenia, Satellite cells, age-related muscle atrophy