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学会誌

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 学会誌「基礎老化研究」バックナンバー公開のお知らせ
     現在、1977年以降の発行分について全文、1977年第1巻~2016年第40巻3号の「基礎老化研究」
     ならびにシンポジウム「老化の基礎的研究」講演記録の1975年から1979年分 (第1回から第8回)
     pdfファイルにて公開しております。
     なお、現在2016~2018年分は学会員限定にて公開しております。

      

 投稿規程  この雑誌について

2021年


2021年1月
45巻1号



(学会員限定)
pdf
4.0MB
目次  (pdf 96KB) (学会員限定) 

名誉会員寄稿文
 基礎老化研究への期待
 遠藤 玉夫 (pdf 694KB) (学会員限定)

特集企画「ミトコンドリアダイナミクスと代謝調節」(pdf 593KB) (学会員限定)

総説
 細胞の環境変化に応答するミトコンドリアダイナミクス
 丸山 翔太、石原 孝也、石原 直忠 (pdf 765KB) (学会員限定)

総説
 ユビキチン化を介したミトコンドリア機能制御
 伊藤 直樹、椎葉 一心、三ツ堀 樹大、柳 茂 (pdf 1.3MB) (学会員限定)

総説 
 複製老化プロセスにおけるミトコンドリアの変遷 
 藤田 泰典、大澤 郁朗  (pdf 888KB) (学会員限定)

総説 
 リソソームによる脂肪細胞の質の制御とミトコンドリア機能との関係
 水之江 雄平、小林 正樹、樋上 賀一、 島野 仁  (pdf 832KB) (学会員限定)

市民フォーラム報告
 第1回日本基礎老化学会 『市民フォーラム in 松本』を終えて
 〜新しい生活様式を実践する中での集い〜
 丸山 光生  (pdf 824KB) (学会員限定)

シンポジウム報告 
 第 41 回日本基礎老化学会シンポジウム WEB開催
 三浦 ゆり  (pdf 678KB) (学会員限定)

共済ワークショップ報告 
 第 43 回日本分子生物学会共催ワークショップ報告記
 清水 孝彦  (pdf 634KB) (学会員限定)

学会見聞録
 第 1 回日本基礎老化学会市民フォーラム報告記
 中川 久子 (pdf 628KB) (学会員限定)

学会見聞録
 第1回日本基礎老化学会市民フォーラム
 小林 正樹  (pdf 686KB) (学会員限定)

学会見聞録 
 第 41 回日本基礎老化学会シンポジウム
 前原 佳代子 (pdf 713KB) (学会員限定)

胞の環境変化に応答するミトコンドリアダイナミクス

丸山 翔太、石原 孝也、石原 直忠
大阪大学大学院 理学研究科 生物科学専攻

 ミトコンドリアは酸素呼吸によりエネルギー生産を行うのみならず、様々な物質の代謝・細胞シグナリングにも関与する、多機能なオルガネラである。内部に自身の遺伝子 mtDNA を含む、ミトコンドリアの特徴的な二重膜構造は、形態を経時的に大きく変化させる。この構造のダイナミクスが、ミトコンドリアの機能のみならず組織と個体の高次機能の制御にも重要な機能を持つことがわかっている。現在のミトコンドリアダイナミクス研究の観点から、個体機能の経年的劣化との関わりも踏まえて全容を概説する。

キーワード:ミトコンドリア、膜融合、オルガネラ形態、ミトコンドリア DNA
ユビキチン化を介したミトコンドリア機能制御

伊藤 直樹 1 、椎葉 一心 1, 2、三ツ堀 樹大 1 、柳 茂 2
1東京薬科大学大学院 生命科学研究科
2学習院大学 理学部 生命科学科

 ミトコンドリアはエネルギー産生のみならず、カルシウム濃度の調節、細胞死制御、代謝制御、免疫応答、熱産生など多彩な役割を担っている。これらのミトコンドリアの重要な生理機能はそのダイナミックな挙動や形態変化と連動していることから、近年、ミトコンドリアダイナミクス制御が活発に研究されている。特にミトコンドンリアと小胞体は近接することによって、物質交換のみならず様々なシグナル伝達の足場として機能することが明らかとなり、オルガネラ間の調節機構の重要性が注目されている。また、ミトコンドリアダイナミクスの破綻はミトコンドリアの品質管理の低下を招き、神経変性疾患など様々な病態と関連していることから、病態の解明および治療の標的として期待されている。本稿では私たちの研究テーマであるミトコンドリア膜上でのユビキチンを介した調節機構を中心にミトコンドリアダイナミクス制御と品質管理、病態との関連について概説する。

キーワード:MITOL/MARCH5、ミトコンドリアダイナミクス、ユビキチン化、タンパク質品質管理、ミトコンドリア‐オルガネラ膜接触

複製老化プロセスにおけるミトコンドリアの変遷

藤田 泰典、大澤 郁朗
東京都健康長寿医療センター研究所 老化制御研究チーム 生体調節機能研究

 細胞老化とは細胞の不可逆的分裂停止状態であり、長期培養で誘導される複製老化、がん遺伝子導入やストレス暴露で誘発される早期細胞老化が知られる。複製老化では細く長くなったミトコンドリアが観察される。これにはミトコンドリア分裂関連因子の発現抑制が関与するが、短軸方向に退縮する機序は不明である。一方、クリステを指標とするミトコンドリア内部構造には大きな変化は見られない。ミトコンドリア由来の活性酸素種の増加は老化を進行させるが、複製老化では分裂停止後に呼吸鎖機能低下や活性酸素種の増大といったミトコンドリア機能異常が観察される。複製老化の進行に対するミトコンドリア機能異常の関与については更なる研究が必要である。また、ミトコンドリア機能障害で誘導される細胞老化は複製老化と類似点があり、早期細胞老化とは相違点が多い。ミトコンドリアの関与は細胞老化の種類によって異なるものと推察される。

キーワード:細胞老化、複製老化、ミトコンドリア
リソソームによる脂肪細胞の質の制御とミトコンドリア機能との関係

水之江 雄平 1, 2、小林 正樹 3 、樋上 賀一 3 、 島野 仁 1
1筑波大学 医学医療系 内分泌代謝・糖尿病内科
2日本学術振興会特別研究員 PD
3東京理科大学 薬学部 生命創薬科学科

 オートファジーは、ユビキチン・プロテアソーム系と並ぶ細胞内の大規模な分解機構で、細胞の恒常性維持に重要である。オートファジー研究は、2016 年ノーベル生理学・医学賞受賞で代表されるように、ATG(autophagy-related gene)遺伝子の発見により飛躍的に発展し、多くのオートファジー欠損マウスが作成された。その表現型の解析により、オートファジーの異常が、がんや糖尿病、神経変性疾患など様々な疾患の発症に関与することが明らかになり、オートファジーが様々な病態に及ぼす影響にますます注目が集まっている。筆者はこれまでに白色脂肪組織(white adipose tissue:WAT)に着目し、WAT におけるオートファジー機能解析を行ってきた。本稿では、肥満症 WAT におけるオートファジー機能とミトコンドリア機能維持について紹介する。

キーワード:肥満症、脂肪組織、リソソーム、ミトコンドリア